お世話になった人の日本酒を贈りたいという人は多いと思います。しかし日本酒に詳しくない方にとっては「どれを選んだらいいかわからない・・・」「どれがいい日本酒か分からない」「どのくらいの値段が高級なお酒なのか」といった悩みがつきまとうはずです。
そこで今回は、贈り物におすすめの、喜んでいただける日本酒をご紹介していきます。
この記事でご紹介している日本酒はどれも有名で、ハズレがない日本酒たちです。
- どのくらいの価格のお酒がよいか
- 720mlか1,8Lか
- 越乃寒梅 (新潟)
- 久保田 (新潟)
- 八海山 (新潟)
- 獺祭 (山口)
- 福寿 (兵庫)
- 作 (三重)
- 醸し人九平次 (愛知)
- 磯自慢 (静岡)
- 飛露喜 (福島)
- 鍋島 (佐賀)
- 田酒 (青森)
- 而今 (三重)
- 十四代 (山形)
- まとめ
どのくらいの価格のお酒がよいか
まず最初にどのくらいの金額のお酒を選ぶかです。
贈り物やプレゼントは気持ちの問題ですので、本来は金額にかかわらず喜んでもらえるものを贈ればいいとは思いますが、だいたいの相場をお話しします。
日本酒には基本的に720ml(4合瓶)と1.8L瓶(一升瓶)のサイズがあります。
私の感覚ですが、720mlで3,000円、1.8Lで5,000円にもなると中々いいお酒、高級なお酒だな、という印象です。
それ以上、例えば720mlで5,000円、1,8Lで8,000円もすれば、超高級なお酒になると思います。
なかなかそれ以上の金額の日本酒はあまりなく、もしあるとしてもそれは定価ではなく、品薄によるプレミアムな値段がついている商品でしょう。
720mlか1,8Lか
先ほど日本酒のサイズには720mlと1.8Lのものがあるとお話ししました。ではどちらのサイズを贈ればよいのか?
これも個人的な見解ですが、例えば5,000円の予算の場合、1,8Lで5,000円のものか、720mlで5000円のものどちらがいいかというと、私は720mlで5,000円の日本酒の方が貰って嬉しいです。
量が多いのはもちろん1,8Lの方ですが、同じ金額だったら720mlの方が日本酒の質やランクが良いもののはず。
ふだん飲めない貴重なお酒を少量でもいいので飲んでみたいというのがあります。
それではおすすめの銘柄について紹介していきます!!
越乃寒梅 (新潟)
ではここで本題に入り、プレゼントにおすすめの日本酒をご紹介します。
新潟県新潟市にある石本酒造が醸す「越乃寒梅」は幻の酒とも言われており、入手困難なお酒と言われています。
最近は比較的手に入れやすくはなりましたが、一般的な小売店で定価で購入するのはまだまだ難しそうです。
越乃寒梅はあとで紹介する久保田と八海山と並び酒どころ新潟を代表するお酒。久保田、八海山も同じですがお酒好きで知らない人はいないというくらい知名度抜群です。
特に年配の方には貴重なお酒という認識が強いようで、実際私の父に越乃寒梅をプレゼントしたときには大変喜ばれました。
味わいとしては淡麗辛口という新潟のお酒の特徴の模範といった味わい。辛口でスッキリとしたキレのある味わい。
贈り物にするなら白ラベル、別撰は比較的お店などで目にする機会が多いので、特選吟醸以上のものがいいと思います。
↓「越乃寒梅」全銘柄徹底解説↓
久保田 (新潟)
ラベルには和紙を使用しており、雪国である新潟の力強さや素朴さを表現しています。こだわりと風情が感じられる銘柄。新商品や季節限定の商品も比較的多く、飽きをこさせないラインアップ。
こちらも新潟のお酒らしく淡麗辛口。冷や~燗まで幅広い温度帯で楽しめます。
プレゼントにするなら「久保田 純米大吟醸」、「久保田 碧寿 純米大吟醸 山廃仕込み」より上のランクのものがいいでしょう。
↓「久保田」全銘柄徹底解説↓
八海山 (新潟)
越後三山のひとつで霊峰として信仰を集める「八海山」を冠した銘柄。新潟県南魚沼市に本拠を構えます。久保田、越乃寒梅とともに酒どころ新潟のお酒の代表格です。たった3代で現在の地位を築きあげた、ベンチャー気質の会社でもあります。
味わいはこちらもスッキリとした辛口、雑味が少なくさらにお米の旨味も感じることができます。
贈り物にするなら大吟醸より上のランクがいいと思います。
↓「八海山」全銘柄徹底解説↓
獺祭 (山口)
山口県岩国市にある旭酒造が製造する日本酒。ここ最近の日本酒で一番話題になっている銘柄。お酒を飲まない人でも名前くらいは聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
うんちくとしては、安倍総理が当時のオバマ大統領にプレゼントした日本酒として、また、人気アニメのエヴァンゲリオンの作中に葛城ミサトが獺祭を飲んでいるシーンがあったりと、話題性がある商品。
ニュースやカンブリア宮殿などで取り上げられることも多く、近年一番話題になっている銘柄でもあります。
獺祭といえばなんといっても若年層でも受けの良いフルーティーさが持ち味。
また、「獺祭 等外」以外のお酒は日本酒の最高ランクの純米大吟醸となっており、獺祭ブランドのどれでも品質の高さは折り紙付き。
プレゼントなら「獺祭 磨き三割九分 純米大吟醸」より上の価格のものがいいと思います。
↓「獺祭」全銘柄徹底解説↓
福寿 (兵庫)
兵庫県神戸市東灘区にある神戸酒心館が製造しています。福寿は毎年12月頃話題にのぼります。なぜかというとノーベル賞の晩餐会が毎年12月に行われ、福寿の純米吟醸がその晩餐会で振る舞われているからです!
2008年の物理学賞を受賞した益川敏英さんらが受賞したときに初めて提供して以来2019年で9回目。その純米吟醸は未だに品薄状態で人気が高く中々手に入りません。値段は手頃ですが価格以上の価値と品質があります。兵庫県以外の場所では見かけることはほとんどないでしょう。
さらにまだその上のランクの大吟醸や純米大吟醸もありますのでこちらもおすすめです。この純米吟醸よりランクが上のものをプレゼントにすれば喜ばれます。
作 (三重)
2016年の伊勢島サミットで提供され話題になったブランド。三重県鈴鹿市にある「清水清三郎商店」の日本酒。「ざく」と読みます。
各国首脳に振舞われたということで当時有名となり、一躍品薄状態、入手困難な日本酒となりました。
※実際に振舞われたお酒は「作 智(さとり) 純米大吟醸 滴取り」
もともとは「機動戦士ガンダム」に登場する「ザク」と同じ名前の日本酒があるということで、ガンダムファンから人気があったとのこと。
作の製造コンセプトは「調和と透明感」。老若男女問わず「美味しい」と思えるお酒を目指して造られています。スッキリとした味わいを基本に飲む人やそれを提供する人たち出会った皆で作り上げるお酒という願いを込め「作」と命名されています。
輝かしいコンクール受賞歴もあり、
★ 2017年6月 「Sake Competiton」
「作 穂乃智」「作 玄乃智」・・・純米酒部門 金賞
「作 奏乃智」「作 恵乃智」・・・純米吟醸酒部門 金賞
「作 雅乃智」・・・・・・・・・・純米吟醸酒部門 銀賞
「作 槐山一滴水」・・・・・・・・純米大吟醸部門 銀賞
「作 槐山一滴水 兵庫愛山」・・・純米大吟醸部門 銀賞
★ 2019年6月 「全米日本酒鑑評会」
「作 雅乃智 中取り 純米大吟醸」・・・大吟醸B部門 グランプリ
「作 雅乃智 純米吟醸」・・・・・・・・吟醸部門 グランプリ
これ以外にも国内・国外問わず様々なコンクールで賞を受賞しています!!
また、2019年12月には「世界酒蔵ランキング」で清水清三郎商店が第一位に輝くなど、世界にも名を馳せる日本酒となっています。
※「世界酒蔵ランキング」・・・その年に開催された有力な日本酒コンテストの結果を数値化し酒蔵ごとにランキング化。スコアの上位50酒蔵を格付けするもの。2019年は計654蔵商品数は1917でした。
贈り物にするなら、「雅乃智 純米吟醸」、「奏乃智 純米吟醸」より上の価格帯のものが良いと思います。
醸し人九平次 (愛知)
愛知県の名古屋市緑区にある萬乗醸造が製造しています。この醸し人九平次といえばフランスのミシュラン三ツ星のレストランやレストランに次々と採用されている日本酒として有名です。料理の本場フランスでも認められ、食中酒としての評価も大変高いです。
「熟した果実味のもと気品、優しさ、懐かしさを感じてもらえる日本酒」を目指しエレガントさを追求して造られています。
「voyage」や「ランデブー」などをはじめ「彼の地」「火と月の間に」「カマルグに生まれて」「human」など独特な商品名が名づけられているのも特徴的です。それぞれにいろんな思いを乗せて製造しているのが伝わってきます。
「醸し人九平治 human 純米大吟醸」よりも価格の高いものを贈られるといいと思います。
磯自慢 (静岡)
磯自慢といえば2008年の洞爺湖サミットでの乾杯酒に選ばれ、最近では2016年の伊勢島サミットでも再度乾杯のお酒に選出された、日本が誇る銘柄です。
また「磯自慢 中取り純米大吟醸35」は年間1000本しか流通しない超限定品となっており、各商品にシリアルナンバーか記されています。そしてNo.0051は毎年元プロ野球選手のイチロー氏に贈っているそうです。
磯自慢のお酒といえば全銘柄に共通しているのがなんといってもメロンやバナナを思わせる華やかな香りととてもフルーティーな味わいが特徴。酸味が少なく優しく包み込むような味わいがとても魅力的になっています。
飛露喜 (福島)
「ひろき」と読みます。福島県河沼郡会津坂下町にある「廣木酒造本店」が醸造する日本酒。近年では「飛露喜 純米大吟醸」が、2019年10月23日に行われた「即位礼正殿の儀」に出席した外国元首らを招いた安倍首相夫妻の夕食会の乾杯酒で振舞われ話題になりました。
味わいとしては「濃密で透明感のある、存在感のあるお酒を造りたい」との蔵元の思いの通り、スッキリとしながらも味わい深いのが特徴。旨味・甘味・酸味のバランスがとても良いので飲みやすい日本酒ともいえます。
飛露喜でしたらどれを贈っても大丈夫です。
鍋島 (佐賀)
平成10年に製造を開始し、たった4年で「2002国際酒祭り in TOKYO」で純米酒部門日本一を獲得したことで一躍有名になりました。
鍋島 特別純米 (「2002国際酒祭り in TOKYO」純米酒部門日本一獲得)
2011年に開かれたインターナショナル・ワインチャレンジ(IWC)にて日本酒部門の最優秀賞「チャンピオン・サケ」にも選ばれました。その他数えきれないほどの賞を受賞しています。
鍋島 大吟醸「インターナショナル・ワインチャレンジ」チャンピオン・サケ獲得」
鍋島には様々な種類がありますが、基本的にはフルーティーながらもしっかりとした味わいで存在感のあるお酒です。全体的にバランスがとれているのが特徴です。
田酒 (青森)
田酒と書いて「でんしゅ」と読みます。青森県青森市にある「西田酒造店」が醸す日本酒。由来は酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、そん田んぼ以外の生産物(醸造アルコール・醸造用糖類など)を使わずに酒造りをするという意味が込められています。「日本酒の中でも別格」と言われるほどの人気を誇ります。
完全手造り、醸造アルコールを添加しないということで完全なる純米酒ににこだわっているのがこの田酒です。
生産数も極めて少ないため、他でご紹介している日本酒とともに店頭で見かけることはないでしょう。
田酒ならどのお酒でも贈り物にふさわしいです。
而今 (三重)
さらに超珍しい銘柄。読むのが難しいですが 而今と書いて「じこん」と読みます。三重県名張市にある「木屋正酒造」が造っている日本酒。いよいよ店頭で見かけることは不可能に近いのではないでしょうか。ネットでも720mlですくなくとも1万円は超えるプレミア価格になっています。
「而今」とは「今の一瞬」という意味。「過去に囚われず未来に囚われず今をただ精一杯に生きる」という意味が込められています。一切機械を使用することなく全て手作業で手間暇かけてこだわりのお酒に仕上がっています。
味わいの特徴としては甘味や旨味、酸味、香りがバランスよく奥深い味わい。日本酒好きなら一度は飲んでみたい銘柄です。とっておきのプレゼントの時に手渡したいものです。
而今も大変入手困難ですのでどの種類を贈っても喜ばれること間違いなしです。
十四代 (山形)
こちらも超がつくほどのプレミア商品。山形県村山市に構える高木酒造が醸造する日本酒。日本酒の最高傑作と言っても過言ではありません。
元プロサッカー選手の中田英寿も十四代に魅了された一人。はじめて十四代を飲んだ時、「こんなにおいしいお酒があるんだ」と衝撃を覚えたそう。テレビ番組「アナザースカイ」でも十四代を紹介していました。
プレゼントするにしても贅沢すぎる日本酒です。貰う側はこの上なく喜んでくれるものと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は父の日などの贈り物で喜んでくれる日本酒をご紹介しました。冒頭でお話ししたように、今回チョイスした商品はどれも有名な銘柄で日本酒好きで知らない人はいない、評判のお酒だけを厳選しています。
特に「作」「醸し人九平次」「磯自慢」「飛露喜」「鍋島」「田酒」「十四代」は入手困難と言われ転倒で一般の大手お酒屋さんで見ることはほとんどないでしょう。比較的オンラインでは入手可能となっていますので、手間と苦労を考えるとネットで購入した方が賢明です。
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!!