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グレンファークラスってどんなウイスキー?特徴と全種類を徹底解説

 

        

  

 スコットランドのハイランド地方で造られているスコッチウイスキー「グレンファークラス」(glenfarclas)。筒の箱に入っており熟成年数の違いによってボトルやラベルの色分けがされておりカラフルなラインアップとなっています。

 

 熟成年数表記シリーズでは10年12年15年17年21年25年とお手頃なものから高級品まで、また12年と21年もののカスクストレングス(カスクストレングスの意味についてはのちほど詳述)、熟成年数表記されていないものでは、「グレンファークラス105」というものがあります。この105はイギリスの元首相で鉄の女と呼ばれたサッチャー氏が愛した銘柄でもあります。

 

 今回はそのいろいろなラインアップがあるグレンファークラスがどんなウイスキーであるのか、またグレンファークラスのラインアップの全種類の詳細をご紹介していきます。

 

 

 

【蒸留所概要】

 

グレンファークラス glenfarclas (スコッチ・シングルモルト)

 

ゲール語:緑の草の生い茂る谷間

地域:スコットランド ハイランド地方 スぺイサイド

創業年:1836年

正規代理店:ミリオン商事

特徴:家族経営

  :シェリー樽熟成

 

 グレンファークラスはスコットランドのウイスキーですのでスコッチに分類されます。グレンファークラスとはゲール語で「緑の草の生い茂る谷間」という意味。スコッチの中でも多くの高品質ウイスキーを生み出すスぺイサイドに蒸留所があります。ラベルには「ハイランド」とのみ書かれておりスぺイサイドの表記がないですが、公式HPにも「スぺイサイドで1836年創業」、また、ウイスキー関連の本にはだいたいスぺイサイドとの表記があります。

 

 グレンファークラスは6世代続く家族経営スタイル。今では家族経営をしている蒸留所は数少なく珍しい存在です。昔から続くスぺイサイドの伝統を受け継いで製造しており、信頼できるクオリティを維持しつづけています。

 

 商品の特徴としてはシェリー樽で熟成しているという点。「シェリー」というお酒を造る時に使用されていた樽で熟成させています。このシェリー樽で熟成されたウイスキーは甘いフルーツやナッツ香が広がりリッチで芳醇な味わいになるのが特徴です。スコッチ界の「ロールスロイス」と呼ばれるマッカランも同じくシェリー樽熟成で有名ですが、グレンファークラスはマッカランに比べ比較的手ごろな価格で購入することができるのも嬉しいところです。

 グレンファークラスは全体的にシェリー樽熟成による甘い風味、豊かなアロマとフルーティーさを感じることができます。

 

 そしてこのグレンファークラスは2020年英ウイスキーマガジンがした「ICONS OF WHISKY SCOTLAND」(アイコンズ・オブ・ウイスキー)において『年間最優秀蒸留所』『年間最優秀生産マネージャー』の2つの賞をW受賞。品質の高さが伺えるブランドです。

 

 シングルモルトにこだわり、よそにグレンファークラスの熟成樽を売ることはせず、ブレンド用の出荷はしていないようです。ここにもウイスキー造りへのこだわりの強さがうかがえます。

 

 それではそのグレンファークラスの商品を1本ずつ紹介していきます。

 

【熟成年数シリーズ】 

 

まずは熟成年数表記シリーズから。熟成年数表記シリーズは、その名の通り熟成年数が書かれている商品。8年・10年・12年・15年・17年・21年・25年があります。熟成年数が長い方が高級になります。

 

グレンファークラス8年

 

        

 

 公式HPには記載がありませんが、グレンファークラスには8年ものがありそれがこの明るい緑色の商品です。このグレンファークラス8年はヨーロッパ向けに発売されているアイテム。グレンファークラスの中では比較的軽快ですっきりと飲めます。実店舗で手に入れるには並行輸入品を扱っているお店を要チェックです。正規品はないものと思われます。

 

 

 ⇒ グレンファークラス 8年 定価と価格推移、味わいと商品詳細

 

グレンファークラス10年

 

            

 

 公式HPに載っている商品の中では一番熟成年数が若い商品。しかしながらそのクオリティは目を見張るものがあり、十分満足が得られるレベルです。ネットでは2,000円台で購入できるので初心者にも手が出しやすいのがいいですね。

 

 ドライフルーツやハチミツのような香り、まろやかで重すぎず飲みやすい味わいなのでこちらもウイスキーに馴染みのない方にもオススメ。女性にも人気がある商品です。

 

 200mlのベビーサイズもあり、お試しするにはちょうどいいサイズ。しかもこの200mlにも筒箱がついています!!飾っておくのにも映えるアイテムです。

 

 フルーティーで優しい味わい

 シェリーのデリケートな甘さと、ドライフルーツのようなフレーバーが心地良く調和したウイスキー。優しい味わいで飲み口もスムーズなので、ウイスキーの入門としても最適です。

※ミリオン商事公式HPより

 

 

 

 
 

グレンファークラス12年 

 

 

            

  

 ウイスキーでは12年ものがスタンダードな印象で、このグレンファークラスもこの12年が一番人気。2006年に開催された「THE SINGLE MALT WORLD CUP」で“ベスト・シェリード・ウイスキー”の称号も獲得した逸品。

 

 これぞシェリー樽熟成!!と思わせるシェリー漬け特有のフルーツ香と甘み・スパイシーさ・フレッシュさが整って上品な味わいを醸し出しています。

 

 グレンファークラスを知るにはまずこの12年をお試しください。こちらも12年も50mlと200mlのミニチュアサイズがあります。

 

 12年シングルモルトの理想形
シェリー樽熟成の特徴がよく表れた、リッチでバランスのとれた味わい。グレンファークラスの味わいの世界を知るのに最適です。世界的ウイスキー評論家も絶賛する、ラインナップの中で最も人気がある1本。

※ミリオン商事公式HPより

 

 

 

 
 

グレンファークラス15年

  

       

 

 熟成年数表記シリーズのアルコール度数は40度や43度が多いのですが、15年のアルコール度数は46度とやや高めに仕上げています。そうすることによりシェリー樽由来の濃厚な甘みを堪能することができるようになっています。

 

 香味が豊か・濃厚で芳醇なフルボディなシングルモルト。ウイスキー通な人や玄人の人へのプレゼントにも最適です。200mlもあり。

 

 ウイスキー愛好家のためのウイスキー

 深みのあるアンバーゴールド。 芳醇に放たれるシェリーとピートの香り。 バタースコッチとドライフルーツのニュアンス。 シェリーの甘みと芳しいモルトフレーバーが溶けあい、最上の余韻が心地よく、そして長く続きます。

ウイスキー愛好家のためのウイスキーと言っても過言ではありません。 

※ミリオン商事公式HPより

 

 

 

 
 

グレンファークラス17年

 

        

 

 15年の段階で十分な味わいを楽しめますが、ちょっと年数を刻んだ17年もののグレンファークラスがこちら。この17年は日本と北米のみ発売されている限定商品。現在のオーナーであるジョン・グラント氏が最も気に入っている1本とのことです。

 

 こちらもシェリー独特の濃厚な香味・フルボディな味わいですが優雅さと繊細さも兼ね備えた豪華な味わい。長い余韻が続いていくのも魅力的で、エレガントな仕様になっています。

 

 残念ながら200mlのミニチュアボトルはないようです。

 

ふんわりと広がるシェリーの甘美な香り。アタックはソフトで、バランスの取れた滑らかな口当たり。とてもリッチなボディ。長期熟成による複雑で深い味わいの余韻へと続きます。

 ※ミリオン商事公式HPより

 

 
 

グレンファークラス18年

 
 免税店限定のグレンファークラス。容量は1000ml。詳しい情報は見当たらず。実店舗でもオンラインショップでも見かけることは少ない珍しいグレンファークラスです。
 

 
 

グレンファークラス21年 【終売】

 

        

 

 2022年終売。 

 

 この21年は数々の賞を受賞しており、

 ★ 2010 International Wine & Spirit Competition 金賞

 ★ 2019 TOKYO WHISKY&SPIRITS CONPETION 2019 金賞

 

 2010年の「International Wine & Spirit Competition」(通称IWSC:インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション)では出品約5,000点のアイテムから金賞を受賞しています。

※IWSCは世界で最も歴史と権威ある酒類コンペティションとされています。

 

 重厚で力強い味わいながらも緻密で繊細、また高度な長期熟成感を堪能できます。世界中で絶賛されている特別な銘柄です。

 

 精緻を極めた”エレガンス”
熟した果実のバスケット、繊細なオーク、濃厚だが主張しすぎないエレガントなシェリーの風味。全ての要素が高い次元で調和する、極めて精緻で贅沢な熟成モルト。優雅な時間を過ごしながら、じっくり向き合いたい1本です。

※ミリオン商事公式HPより

 

 
 

グレンファークラス25年

 

        

 

 現在通年でリリースされている中で一番熟成年数が長いものがこの25年。スコッチの中でも25年もの熟成期間を経てリリースされるものは少ないです。そういった意味でも貴重な商品。

 

 バニラやマーマレード、蜂蜜のような舌触りのよい甘みと25年という長い年月により生まれるコーヒーやナッツなどの香りと濃厚で力強い味わい。シングルモルトにこだわりも持つグレンファークラスの真骨頂を味わえる銘酒。

 

 スペイサイドモルトの1つの到達点
円みを帯びた芳醇な香り。とても滑らかなシルキーな口当たり。濃厚なダークチョコレートとビターな深煎り珈琲を合わせたような、濃厚で複雑な味わい。いつまでも続く長い余韻。リッチで重厚な味わいは食後酒に最適です。

※ミリオン商事公式HPより

 

 

⇒ グレンファークラス 25年 定価・価格、味わいと商品詳細

 

【カスクストレングスシリーズ】

 

 これまで熟成年数シリーズを紹介しましたが、こちらからは「カスクストレングス」というシリーズの商品を紹介します。「カスクストレングス」とは樽で熟成されたままのアルコール度数で瓶詰されている商品。

 

 通常ウイスキーは樽で熟成された後、水を加えてアルコール度数を調整し瓶詰されます。しかしカスクストレングスはアルコール度数の調整がないまま瓶詰されるのでアルコール度数が高く、力強い味わいを感じることができる商品です。一般的なウイスキーのアルコール度数は40%台がほとんどですが、カスクストレングスの商品は50~60%と高いことが多く、このグレファークラスのカスクストレングスもアルコール度数が高くなっています。

 

グレンファークラス105 カスクストレングス

 

        

 

 「105」とはイギリスのアルコール度数で60度の意味。アメリカやイギリスではアルコール度数に使われる単位が違っており、イギリス表記ですと0.571倍したものが日本のアルコール度数と同じになります。この105の場合、105×0.571=60%となります。

 

 アルコール度数60%ということでかなりヘビーな商品。しかしながらなめらかさと優しさも同時に感じることができます。冒頭で紹介したイギリスの元首相で鉄の女と呼ばれたサッチャー氏が愛した銘柄がこの105。また2019年の「TOKYO WHISKY&SPIRITS CONPETION」で銀賞を受賞した評価も高い1本。

 

 1968年に発売し、世界初のカスクストレングスとしてリリースされたアイテムでもあるこの「105」。以降グレンファークラスの看板商品としても、世界中で愛されファンも多い逸品です。

 

 “105”とは、英国式アルコール表示で60°を意味します。驚くほどパワフルな味わい、驚くほどスムーズな喉越し。グレンファークラスが持つ味わいの全ての要素が、この1本に凝縮されています。是非少量のお水を加えて下さい。濃厚なフルーツの風味が溢れ出してきます。

※ミリオン商事公式HPより

 

 

 

 10年・12年・105のミニチュアがセットになった商品もあります。

 

 

 

グレンファークラス12年 カスクストレングス 【日本限定・数量限定】

 

 

          

 

 世界中で愛されているグレンファークラスですが、日本限定で発売されているのがこの「12年カスクストレングス」とこのあと紹介する「21年カスクストレングス」。日本限定発売でさらに数量も限定されているレア商品。いままでは筒状の外箱でしたが、四角の紙製の外箱になっています。

 

 先述した青い筒箱の12年のカスクストレングスバージョン。アルコール度数は58.3%と105ほどではないですが一般的なウイスキーに比べるとやはり高めの仕様。12年が持つバランスの良さに原酒の良さが加わり、濃厚で安定感ある味わいに仕上がっています。

 

 グレンファークラス12年が持つ印象的な清涼感と、とてもパワフルなボディが特徴。オランジェットのような満足感のあるリッチなフレーバー。飲みごたえと長い余韻はカスクストレングスならでは。

※ミリオン商事公式HPより

 

 

 ⇒ グレンファークラス12年 カスクストレングス 定価・価格、味わいと商品詳細

 

グレンファークラス21年 カスクストレングス 【日本限定・数量限定】

           

 

 先ほどの商品は12年熟成のカスクストレングスでしたがこちらは21年熟成のカスクストレングス。同じく日本限定・数量限定商品。この21年はアルコール度数54.5%と、12年と比べやや低め。しかしながらパワフルでエレガント、芳醇さが素晴らしい世界がうらやむ1本。

 

 この12年・21年カスクストレングスシリーズはウイスキー通も唸る商品たち。ウイスキー好きな人にプレゼントならちょっと差別化したこの2アイテムがオススメです。

 

 グレンファークラス21年の精緻な味わいを、より高い凝縮感で楽しめます。ドライフルーツのような濃厚な甘みと、カカオや焙煎珈琲のようなビターさとのバランスが絶妙。オロロソ・シェリー由来のエレガントで濃厚なコクが余韻まで続きます。

※ミリオン商事公式HPより

 

 

⇒ グレンファークラス21年 カスクストレングス 定価・価格、味わいと商品詳細

 

【レッド・ドア】

 

 レッド・ドアは30年と40年の2アイテム。30年以上熟成されたウイスキーはほとんどなく数量限定ということもありレアな商品。

 

グレンファークラス30年 レッド・ドア 【数量限定】

 

 

        

 

 通年で販売されている熟成年数シリーズの最高熟成年数は25年でしたが、それを5年も上回る30年もの!!終売になっていたものを数量限定で再発売しています。グレンファークラスの蒸留所の象徴である熟成庫の赤い扉をモチーフとした化粧箱に特別感とゴージャス感、こだわりを感じさせます。

 

 数量限定の特別なレッド・ドアシリーズ。普段は味わえない特別なシチュエーションで楽しみたいアイテム。

 

 

 

グレンファークラス40年 レッド・ドア 【数量限定】

 

 

        

 

 レッド・ドアシリーズはもう1本あり、こちらは驚愕の40年熟成アイテム!!価格も非常に高価で、マニア垂涎の逸品。至福のひとときを演出してくれること間違いなしです。

公式での発表はないですが、おそらく30年レッドドアよりも数量は少ないでしょう。

 

 
 

【ファミリーカスク】 (1954年~各ヴィンテージ)

 
 グレンファークラスの最上で最高級アイテム。豪華な木箱入りとなっています。
 

グレンファークラス ファミリーカスク

 

           

 

 このファミリーカスクは1952年以降のシングルヴィンテージを毎年瓶詰したもの。シングルカスク仕様となっており貴重な存在。

 

 ※シングルカスク・・・通常ウイスキーはいろいろな樽で熟成されたウイスキーをブレンドして瓶詰されますが、このシングルカスクは一つの樽で熟成されたウイスキーのみを瓶詰め。生産される本数も少なく、樽の個性をそのまま楽しめるシングルカスクはグレンファークラスのみならず、その他のいろいろなブランドのウイスキーでそれぞれ至高の存在とされている製造方法。

 

 基本的にウイスキーは熟成年数を表示するのでこのファミリーカスクのようにヴィンテージ表記するのは稀です。ワインでは生まれ年や結婚した年のヴィンテージワインをプレゼントしたりできますがウイスキーではなかなかそれができません。そういう意味でもファミリーカスクは1954年以降途切れず毎年リリースされてきたものなので、指定した年のウイスキーをゲットすることができます。

 

 しかし、すでに売り切れにより既に在庫がないヴィンテージも多く激レアな商品。価格もヴィンテージが古くなるにつれやはり高騰しています。

 

 特別な人へ特別なヴィンテージウイスキーを贈りたい人にオススメ。

 

 グレンファークラスの所有するウイスキーのストックは10万樽にも及びます。それらの樽から厳選されたシングルカスクを、「ファミリー・カスク」シリーズとして2007年に発売しました。現在は1954年~2003年までのヴィンテージを取り揃える、家族経営のグレンファークラスならではの、他に類を見ないシリーズです。

 ※ミリオン商事公式HPより

 

 
 

 グレンファークラス ディケイド

 
 2023年3月に発売された、日本限定のグランファークラス。1980、1990、2000、2010年代の1st〜4thシェリー樽を使用。
 

【まとめ】

 

 以上、グレンファークラスの全商品を紹介しました。お手頃なものから超レア商品まで幅広いラインアップがあるのもグレンファークラスの特徴の一つ。

 

 やはり実店舗でグレンファークラスの全アイテムを取り扱っているお店はほとんどないでしょう。価格面でも労力面を考えるとネットで買う方が賢明かもしれません。

 

 「シングルモルト」、「家族経営」、「シェリー樽熟成」という多くのこだわりを持つからこそ生まれる絶品の味わいをお楽しみください。