「イチローズモルト」というウイスキーがあります。ウイスキー好きの間ではもちろん有名で、品薄な国産ウイスキーの中でも入手困難として知られています。サントリーウイスキーの「山崎」「響」「白州」ほど一般的な知名度はないかもしれませんが、ウイスキー好きなら一度は飲んでみたいと思う銘柄です。もちろん贈り物やプレゼントにも最適なウイスキーブランドになります。
しかしながら、そのイチローズモルト今までいろいろな商品を発売しています。「どれがどんな特徴をもっているのか」「一般的なイチローズモルトはどれか?」「贈り物やプレゼントにオススメなのは?」など思っている方も多いと思います。
そこで今回は現在入手可能なイチローズモルトの種類や特徴について、1アイテムずつ詳しく解説していきます!!
- ★ イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル
- ★ イチローズモルト ワインウッドリザーブ
- ★ イチローズモルト ダブル・ディスティラリーズ
- ★ イチローズモルト ミズナラウッド リザーブ
- ★ イチローズモルト& グレーン ワールドブレンデッドウイスキー505
- ★ イチローズモルト モルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー リミテッドエディション
- ★ イチローズモルト プレミアムブラックラベル
- まとめ
★ イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル
イチローズモルトの定番商品。一般的に「イチローズモルト」といえばこのホワイトラベルです。現在は一番入手しやすいですがそれも稀です。たまに店頭で見かけることはありますがその機会も多くないです。
ラベルには「Malt & Grain」、「World Blended Whisky」とあります。
「Malt & Grain」ということなのでそのまま「モルトウイスキーとグレーンウイスキーを使って造ったウイスキー」となります。ウイスキーのジャンルとしては「ブレンデッドウイスキー」となり、山崎・白州などのシングルモルトウイスキーとは異なります。(響はイチローズモルトと同じブレンデッドウイスキー。)
※ブレンデッドウイスキー・・・モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒をブレンドして作られたウイスキー。モルトウイスキー原酒のみで作られたウイスキーは個性が出やすく、ブレンデッドウイスキーは一般的に比較的ライトで飲みやすく、親しみやすい味わいになります。
また、「World Blended Whisky」ということで、そのままの意味で世界のウイスキーの原酒をブレンドして造られている、ということになります。その中で主要なメインの原酒(キーモルト)には秩父蒸留所のウイスキーを使用、あとは国内外の9つの蒸留所のモルト原酒、2つの蒸留所のグレーンウイスキーをブレンドしています。残念ながらどこの国のどんな樽を使っているかまでは調べられませんでした。
ホワイトラベルは国産ウイスキーを知りたいのならば飲んでおくべき銘柄です。
★ イチローズモルト ワインウッドリザーブ
「リーフシリーズ」と言われる3商品のうちのひとつ。
赤ワインを熟成していた樽でフィニッシュさせたウイスキー。つまり、最初にこのウイスキーを熟成していた樽からその原酒を抜き、次に赤ワインを熟成していた樽で追加の最後の熟成をしています。
その赤ワインの樽は日本のワインの有名産地、山梨県勝沼のワイナリーで使用されていたワイン樽。樽の種類はフレンチオーク樽、樽の熟成に使われていた赤ワインは「マスカット・ベーリーA」と「メルロー」の2品種のもの。
※フレンチオーク樽・・・多くはフランス産のヨーロッパナラという木を使って作られた樽。バニラ香がありスパイシーな味わいに仕上がる傾向がある樽です。
※マスカット・ベーリーA・・・日本固有の黒ブドウ品種。1927年に川上善兵衛氏によって開発されました。赤ワインに使用され、イチゴを思わせる赤い果実系のフルーティーで軽快な味わいになる品種です。
※メルロー・・・こちらも黒ブドウの品種で赤ワインに使用されます。柔らかく丸みがありまろやかな味わいに仕上がります。
さて、このワインウッドリザーブのラベルには「Pure Malt Whisky」とあります。ピュアモルトウイスキーとは正式なウイスキー用語ではなく、主に日本だけで使われている言葉です。「純粋なモルトウイスキー」「モルトウイスキー100%」という意味で使われており、ホワイトラベルのようなグレーンウイスキーをブレンドしているブレンデッドウイスキーではありません。
「ピュアモルト」と表現しているウイスキーで有名なのはニッカの竹鶴が有名ですね。
このワインウッドリザーブは最後に赤ワイン樽で調整しているため、やはりウイスキーに赤ワインのフレーバーが表現されています。
700mlだけではなく200mlの可愛いらしいボトルもあります。
★ イチローズモルト ダブル・ディスティラリーズ
赤色の葉が印象的だったワインウッド、リーフシリーズのうちの一つである「ダブル・ディスティラリーズ」。こちらもワインレッドリザーブと同じピュアモルト仕様。
今はなき東亜酒造が持っていた羽生蒸留所のシングルモルトの原酒と、秩父蒸留所の原酒をブレンドして完成させたウイスキー。頭文字をとって通称「D.D」と呼ばれています。
商品名の「ディスティラリー」とは「蒸溜酒製造所」という意味。「ダブル」とあるのでその名の通り二つ(羽生蒸留所と秩父蒸留所)の蒸留所を組み合わせた商品、という意味になるでしょうか。
羽生蒸留所の原酒は主に「パンチョン樽」、そして「シェリー樽」を使用、そして秩父蒸留所の原酒には「ミズナラ樽」を使用しています。
※「パンチョン樽」・・・樽の形の一つ。容量480Lという大きな樽でゆっくりと熟成 するため長期熟成に向いている樽。
※「シェリー樽」・・・スペインの酒精強化ワイン「シェリー」を熟成させていた樽。この樽で熟成させることによりシェリー由来のドライフルーツなどの甘い香味・フ レーバーをウイスキーに与えます。
※「ミズナラ樽」・・・「ミズナラ」という木を使ってつくられた樽。ミズナラは日本に多く自生しており「ジャパニーズオーク」とも呼ばれ、日本のウイスキーの味わいを構成する一つの特徴になっています。白檀や伽羅の香り、ウッディーでオリエンタルな印象を感じます。
この3つの特徴的な樽を使用していることから、甘くスイートでフルーティー、またオリエンタル、爽やかな味わいが見事に調和されたウイスキーになっています。
また、2009年のWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で「ベストジャパニーズ・ブレンデッドモルト」を受賞しています。
★ イチローズモルト ミズナラウッド リザーブ
リーフシリーズ最後の一つ。「MWR」と書かれていますが「ミズナラ・ウッド・リザーブ」の略です。
先に紹介した、緑色の「ダブルディスティラリーズ」でも使用されていた「ミズナラ樽」に重点を当てて造られたウイスキー。こちらもピュアモルト。
羽生蒸留所のウイスキー原酒をメインに数種類のモルトウイスキーをブレンドしています。そのモルトウイスキーの中にピートの強いモルト原酒を使用しています。
奥行きのある深いチョコレートの甘みとフルーティーさ、またピーテッドモルト特有のスモーキーさも合わさりあい、繊細で複雑さを兼ね備えた一本。
★ イチローズモルト& グレーン ワールドブレンデッドウイスキー505
令和2年6月、当初は飲食店限定で発売された商品。コロナ禍で苦しむ飲食店を救うために発売されました。商品名にある「505」はアルコール度数50.5度からきていますが、SOSの文字にも見える、という声もあるそうです。限定商品ではなく通年商品としてリリースされています。
ラベルには「World Blended Whisky」とあります。ホワイトラベルと同じ、「Malt&Grain」ということで「ブレンデッドウイスキー」となります。また、世界五大ウイスキーであるスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本のウイスキー原酒をブレンドしています。
この五大ウイスキーをブレンドしているものは、サントリーから出ている「碧」も同じです。
ゆったりとした甘さと華やかな香り、バランス良く響く麦の印象と幾重にも重なる熟成感が、時間と共に変化をしながら続きます。
原酒一つ一つの複雑な味わいをいかすため、ノンチルフィルター、そしてノンカラーでボトリングしました。丁寧なブレンドによって作り上げられた繊細な香りと深い味わいを、是非お楽しみください。
505の現在の価格はリーフラベルと同等くらいでしょうか。
★ イチローズモルト モルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー リミテッドエディション
高級感溢れる青いラベルが印象的なこのリミテッドエディション。一番最初に紹介した、イチローズモルトで一番の定番商品「ホワイトラベル」の上位グレート版。
ホワイトラベルと同様、「モルト&グレーン」・「ワールドブレンデッド」ですので
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを使用し世界中の原酒をブレンドしたブレンデッドウイスキーです。
また、創業当時の2008年から熟成させてきた、ブレンドしてその真価を発揮するイチローズモルトの原酒をキーモルトとして使用しています。
★ イチローズモルト プレミアムブラックラベル
こちらは10蒸留所のモルト原酒&3蒸留所のグレーンウイスキーをブレンドしてつくられた商品。
調べてみるとシェリー樽で熟成させたもののようです。シェリー樽熟成特有の濃くて美しいアンバー色で穏やか、エレガントな香り、そして奥行きのある甘み、重厚で飲みごたえがあり、複雑でフルーティーな香味を味わえます。価格も跳ね上がっています。
まとめ
いかがでしたか?今回は「イチローズモルト」の種類について解説しました。実はまだまだイチローズモルトには様々な種類があり書ききれないほどありますが、比較的入手できそうな価格帯のものを紹介しました。他には何十万円もするイチローズモルト、また、秩父蒸留所の名を冠した「秩父」シリーズもあります。少しだけ商品リンクを張っておきます。
イチローズモルトは山崎や白州・響に勝るとも劣らない人気・実力を誇ります。ウイスキー好きな人にはとても喜んでくれるブランドです。プレゼントにはできればホワイトラベルよりも入手も難しい「ワインウッドリザーブ」「ダブルディスティラリーズ」「ミズナラウッドリザーブ」や「505」「リミテッドエディション」をおすすめします。贈り物に悩んでいる方はぜひ参考にしていただければと思います。
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!!