スコットランドのアイランズに分類されるシングルモルトスコッチウイスキー。スコットランド本土にある蒸留所ではなく、本土の北限にあるオークニー諸島のメインランドという島にある蒸留所です。このメインランドにはスコットランド最北の蒸留所と言われているハイランドパークも所在しています。スキャパはノース語(ヴァイキングの言葉)で「ボート」という意味です。
スキャパの知名度はそれほど高くないですが、ソフトでフルーティー、トロピカルな香味で初心者や女性にもおすすめできる銘柄です。
【蒸留所概要】
★ スキャパ SCAPA (スコッチ・シングルモルト)
【ノース語】
ボート
【地域】
スコットランド 地方
【仕込み水】
中硬水
【創業年】
1885年
【正規輸入代理店】
サントリー
【所有者】
〜2005年 アライド・ディスティラーズ
2005年〜 ペルノ・リカール
【特徴】
・スコットランド最北部オークニー諸島の厳しい気候から生まれるエレガントな味わい。
・海の近くに樽の熟成庫があるため、わずかな塩の風味がある。
・ノンピーテッド麦芽を使用
・トロピカルでフルーティーな風味のため女性にもおすすめ
【スキャパをキーモルトにしているウイスキー】
様々なウイスキーの原酒をブレンドしているスコッチウイスキーのことを「ブレンデッドウイスキー」といいます。「キーモルト」とは、そのブレンデッドウイスキーの核として使用しているウイスキーの銘柄のこと。
バランタイン17年
安くて美味しい価格帯から高級な30年もある幅広いラインアップのバランタイン。そのバランタインの17年にはスキャパがキーモルトとして使用されています。バランタイン17年のスキャパの役割は「第一印象」(最初にぱっと広がる果実、花のような香り、軽やかさ)としてスキャパが貢献しています。
【スキャパの種類】
それではスキャパの種類をみていきます。とはいってもスキャパのラインアップは少ないです。
スキャパ スキレン
スキャパの中で一番スタンダード、最も手頃な商品。スキャパを試したいならまず最初にこのスキレンを飲んでみましょう。
スキレンとは「輝き」、「明るい空」、「光輝く空」を意味します。ファーストフィルのバーボン樽のみを使用し、バニラや洋梨、メロン、パイナップルなど甘美な香り、味わいが楽しめます。
※ファーストフィル
この場合はバーボンの熟成に使われた樽で、バーボンを払い出したあとにウイスキーの熟成に使った1回目の樽のこと。ファーストフィルの原酒を払いだした後、次に熟成するときは「セカンドフィル」、その次は「サードフィル」といいます。
ファーストフィルの特徴は、あらかじめ熟成に使っていたお酒成分が残っており、そのフレーバーがウイスキーの香味に強く影響します。セカンドフィルよりもファーストフィルの方が、この場合はバーボンのフレーバーがウイスキーに移っています。バーボン樽で熟成すると一般的にバニラや蜂蜜、バナナなどの香味をウイスキーに与えます。
ファーストフィルのバーボン樽で熟成させた原酒を100%使用したシングルモルトウイスキーです。バニラや花を思わせる香りとなめらかな味わいが特長で、甘い余韻が長く続きます。
※サントリーHPより
スキャパ グランサ
イギリス向けにリリースされている商品。グランサはスキレンと同じくファーストフィルのバーボン樽で熟成したあと、ピートタイプのスモーキーなウイスキーを熟成させていた樽でフィニッシュ。
ちょっと変わったもので「バランタイン17年 スキャパエディション」も2016年に数量限定で発売されました。オークションでまれに出品されていますが今から手に入れようと思ってもはほぼ不可能でしょう。
【プレゼントにおすすめのスキャパは?】
スキャパのラインアップは少なく過去にはスキャパ16年などはありましたが、現在容易に手に入る年数表記のある高価なスキャパはありません。しかし安いわけでも高いわけでもなく中価格帯なので、ちょっとしたプレゼントに最適です。女性におすすめなのは「スキャパ スキレン」、男性におすすめなのは「スキャパ グランサ」です。
【まとめ】
スコッチの中ではとても有名ではなく、どちらかといえば地味な存在でしょうか。しかしながら品質的には間違いのない、知っていればウイスキーに詳しいという印象を持たれるのではないかと思います。
軽快で飲みやすく、トロピカル感がよく分かるウイスキーと思いますので気になる人は是非お試しください。