皆さんは焼酎の“原酒”というものをご存知でしょうか。
一般的な焼酎のアルコール度数は25度となっており、店頭に並んでいるほとんどの商品は25度になっています。(九州は昔から20度の文化なので20度の方が多いです。)
しかし、原酒になるとアルコール度数は最低でも35度程度になり、一般的な焼酎よりも10度以上アルコールが高くなっています。
今回はその原酒の魅力と一度は飲んでみたい、レアな芋焼酎の原酒のおすすめをご紹介していきます!
原酒とは
まず、最初に原酒の説明ですが、冒頭に軽く書いたように、原酒はアルコール度数が35度程度で商品化されています。
一般的な焼酎は蒸留をしたあと、他の焼酎や水をブレンドし味のバランスを調整したあとアルコール度数を25度にして出荷されます。
しかし原酒は、焼酎や水を一切加えずに瓶詰されています。そのことから、アルコール度数が高い商品となるわけです。
焼酎のジャンルにより、原酒のアルコール度数は若干異なり、麦焼酎と米焼酎の場合は43~44度、芋焼酎の場合は37~38度となるのが一般的。
そのなかでも、蒸留して最初に出てくる最初のわずかな原酒のことを「ハナタレ」(初垂れ)と言います。この「ハナタレ」を商品化しているものもあります。
博多の華 ハナタレ
ハナタレは原酒の中でも最もアルコール度数が高くなり、この「博多の華 ハナタレ」も44度となっています。
原酒の魅力はなんといってもその力強い濃厚でインパクトのある味わい。その焼酎が持っている本来の味わいが凝縮されています。
いろいろな商品の原酒がありますので、レギュラー酒と、その原酒を飲み比べするのもいいでしょう。
※ちなみに全ての蔵で原酒を製造しているわけではありません。ですので「原酒」を探すにも一苦労で、種類が多いわけではないです。酒屋さんやスーパーでも、原酒を見つけるのは難しいでしょう。
原酒の飲み方
さて、原酒はどのようにして飲むのがいいか。焼酎の飲み方は一般的に名にかで割ったり薄めたりせずそのまま飲む「ストレート」、氷を入れて飲む「ロック」、氷と水を入れて飲み「水割り」、お湯を入れて飲む「お湯割り」と、大抵はこの4つに分類されるでしょう。
原酒の飲み方のおすすめは、やはり、「ストレート」で飲むのが一番です。加水したり他の焼酎をブレンドせずそのまま製品化しているので、ストレートで飲み、その味わいをゆっくり楽しむのが最適です。
しかし、ストレートで飲むとアルコール度数が40度近いため、お酒に強くない人には少ししんどいです。
その場合はもちろんロックや水割りにしてもOKです。私の持論は「どんなお酒でもその人の好きな飲み方で飲むのが一番」と思っているので、「原酒は絶対にストレートで!」ということは言いません。無理してストレートで飲んで泥酔・・・なんてことではせっかくの原酒が楽しめませんので(笑)
三岳 原酒
それでは数ある芋焼酎の中でも「プレミアム芋焼酎」といわれている商品たちの原酒を紹介していきます。
まず、最初は「三岳 原酒」。鹿児島県熊毛郡にある、世界遺産でおなじみの屋久島で製造している芋焼酎「三岳」の原酒です。
三岳は最近でこそ店頭で見かける頻度は多くなりましたが、それでもやはり比較的入手しづらい銘柄で人気の芋焼酎の一つ。
三岳は屋久島の綺麗な名水で醸した逸品。すっきりな味わいになる「白麹」という麹を使い、爽やかでまろやかな味わいで飲む人を魅了しています。
その原酒バージョンがこの黒い豪華な化粧箱に入った商品。アルコール度数39度と、一般的な芋焼酎の原酒よりも少しだけ度数が高く、飲み応え抜群でパンチも効いています。
ただ、「度数が強い」、「パンチがある」だけではなく、爽やかでクリアなオリジナルの三岳の味わいも感じることもでき、原酒ならではの芳醇なコクも楽しめる贅沢な逸品です。
【商品名】三岳 原酒
【アルコール度数】39度
【使用麹】白麹
【使用芋】黄金千貫
【蒸留方法】常圧蒸留
【価格】720ml 2,300円程度 (税抜)
たちばな 原酒
宮崎県児湯郡高鍋町の㈱黒木本店が製造する芋焼酎「たちばな」の原酒。
オリジナルのたちばなもプレミアム焼酎の一つに数えられますが、やや知名度は低め。しかしながらその品質の高さは折り紙付き。芋の甘い香り、滑らかで丸みのある味わいで、バランスの取れた味わいが特徴です。
その「たちばな 原酒」ですが、雰囲気のある箱と包みに入っています。通常のたちばなよりもインパクトがあり、深みがありながらもスッキリとした後味と芋の甘い余韻ひ浸ることができます。
ロック、水割り、お湯割りどれでも美味しく飲めるのが嬉しいところ。自分の好きな飲み方で楽しんでください。知っていればちょっと通になれる1本です。
【商品名】たちばな 原酒
【アルコール度数】37度
【使用麹】白麹
【使用芋】黄金千貫
【蒸留方法】常圧蒸留
【価格】720ml 2,600円程度 (税抜)
薩州 赤兎馬 極味の雫 (特別限定酒)
見た目からしてとてもゴージャスな逸品。鹿児島県いちき串木野市にある濵田酒造が製造する、「金ラベル」と名付けるにふさわしい商品です。生産本数僅か5000本という希少価値も高いですちなみに、「赤兎馬」の由来は、三国志に出てくる名馬の名前です。
赤兎馬という焼酎は、実は通常品だけでなく、限定品などを合わせると5種類あります。
一般的でレギュラー品の「赤兎馬」は黒と赤のラベルが映えているこちらの商品。滑らかで優しい口当たりながら旨味のある深みを楽しむことができる名品です。
このレギュラー品の赤兎馬の原酒がこの「極味の雫」。原酒をさらに熟成しており、アルコール度数が高く濃厚な口当たりが特徴の原酒といえど、フルーティーでマイルドな味わいを実現しています。華やかな香りと丸みのある旨味と甘味を堪能することができます。
720mlのみのラインナップが多い原酒ですが1.8Lもあります。
【商品名】薩州 赤兎馬 極味の雫
【アルコール度数】35度
【使用麹】白麹
【使用芋】黄金千貫
【蒸留方法】常圧蒸留
【価格】720ml 5,000円 (税抜)
1.8L 10,000円 (税抜)
天使の誘惑
こちらの天使の誘惑醸造元の西酒造(鹿児島県日置市)はアジア最優秀蔵元を受賞している銘醸蔵。そしてこの天使の誘惑は2014年のIWSC(インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション)で最高金賞&部門最高賞である“トロフィー”のW受賞しました!!まさに世界が認めた芋焼酎です!!
芋焼酎の原酒をなんと8年ものあいだ長期熟成させており、最後の3年間は樫樽で貯蔵しています。
樽で熟成・貯蔵しているのでウイスキーやブランデーのような琥珀色をしているのが特徴。
コクの深さはもちろんですが、旨味と熟成によるまろやかさ、ほのかな甘味、上品な余韻の長さなど、香りからフィニッシュまで、余すところなく楽しませてくれます。
天使の誘惑は毎年夏季(6~8月)と冬季(12~2月)だけに発売される限定品。もちろんですが、他の原酒と同じく大量生産されてはいません。世界に誇る焼酎の味わいを是非ご堪能ください。
【商品名】天使の誘惑
【アルコール度数】40度
【使用麹】白麹
【使用芋】黄金千貫
【蒸留方法】常圧蒸留
【価格】3,000円程度 (税抜)
爆弾ハナタレ
何ともパンチがありそうなユニークな商品。宮崎県児湯郡高鍋町にある㈱黒木本店が製造しています。上で紹介した「たちばな 原酒」と同じ黒木本店です。
「ハナタレ」とは最初に書いたように、蒸留して最初に出てくる僅かな原酒のこと。原酒の中でも特にアルコール度数が高くなる部分で、この爆弾ハナタレのアルコール度数はなんと44度!!一般的な原酒よりも約10度、高めの原酒よりも約5度程度、アルコール度数が高くなっています。
※ちなみに本格焼酎のアルコール度数の最高限度は44.1~44.9度だそうです。
ハナタレなので普通の原酒よりも希少で、さらに「爆弾ハナタレ」の容量は360mlなのに定価は○○円と、やはりプレミアムな価格に設定されています。
味わいは、44度というアルコール度数のわりにはとても飲みやすく南国のバナナやマンゴーを思わせる香り。トロッとしており、芋の甘味と優しさが凝縮して丸みのある味わい。奥深い味わいと余韻に浸ることができます。
冬季限定品となっており入手は困難ですが、一度は飲んでおきたい、有名で人気の1本です。
【商品名】爆弾ハナタレ
【アルコール度数】44度
【使用麹】黒麹
【使用芋】黄金千貫
【蒸留方法】常圧蒸留
【容量】360ml
【価格】2,300円程度 (税抜)
特上大魔王 樫樽貯蔵
赤兎馬と同じ濱田酒造が製造しています。こちらも「天使の誘惑」同様樫樽で3年もの間貯蔵しています。
豪華な桐箱、さらには陶器入りとなっており、全国1000本のみの数量限定品!原酒の中でも豪華な仕様となっています。
黄麹で造られている「大魔王」の原酒を樫樽で貯蔵。黄麹で造られた焼酎は芋特有のクセが少なく、柑橘系を思わせるフルーティーで華やかな香りと飲みやすさが特徴です。
この「特上大魔王」は白麹で仕込んでいます。とろっとした感覚と芋の甘みと風味が樫樽の香味とうまく調和し飲む人を満足させてくれます。
桐箱入りで数量1,000本限定と、とても付加価値のある商品です。自分用だけでなく贈答用にも最適です。
【商品名】特上大魔王
【アルコール度数】36度
【使用麹】白麹
【使用芋】黄金千貫
【蒸留方法】
【価格】600ml 3,850円 (税抜)
まとめ 【結局どれがおすすめ?】
以上、芋焼酎のレアな原酒をご紹介しました。特にオススメというのは実はなく、数えきれないほど存在する芋焼酎の中での人気の、プレミアと化している芋焼酎の原酒たちなのでどれもおすすめです!!
ちなみに、各商品に価格を書いていますが、これは定価の価格です。今回ご紹介した商品はどれもプレミアム芋焼酎たち。一般の店頭で並んでいる価格はほとんどがプレミアム価格となっており、定価の倍くらいするのもざらにあります。
定価で手に入れるためには実店舗よりもネットで購入するのがオススメです!!なぜなら、実店舗で取扱しているお店もほとんどないでしょうし、なおさら価格も高いです。ネットでしたら探す手間も省け、なおかつ正規特約店が出品しているところも多いので、安心して定価で購入することができます。
(博多の華原酒、特上大魔王はスーパーやお酒屋さんで定価で置いているかもしれません。)
それでは、原酒の魅力にはまって、さらに楽しい芋焼酎ライフを送ってください!!この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。